株の気になる下げ方


1月17日の日経平均株価は一時前日比600円近く上げた後、急速に値を消して、引けではマイナス141円となりました。チャートでいうと、高値で長―い上髭が日足で出てさらに陰線で終わってしまった形で、形はちょっと嫌な感じです。

あくまで直感的な話でしかないですが、嫌な感じの理由としてさらに、
・世界のかなりの割合の人々が日本株に強気となっていた状態だった。ほぼ総強気の状態だった。
・中国の景気要因や米国の今後の経済的な落ち込みの可能性を無視してきたこと
・株式相場が極端な需給相場(新NISAスタート、中国からのシフト、外国人投資家の関心の強さほか)になっていたこと。

実は今年は不安要因だらけです。トランプのアイオワコーカスの勝利も、彼の勝つ確率が上がったという意味で不安要因です。トランプのような人物がアメリカで2度も選ばれること自体、アメリカという政治集団の世界における優越的な地位がすでに過去のものとなりつつあることを示しています。つまり混乱と不安の時代の幕開けであり、株式市場はそのリスクを十分に評価していません。

また金利に関する不確実性も十分に評価されていません。米国金利はインフレの低下と景気減速によって今年複数回FEDが利下げを行うという「コンセンサス」に基づいて評価されていますが本当にそうなるかどうかはインフレが大きなカギを握ります。やはり中国の混乱や中東、欧州での戦乱など、サプライチェーンに対する不安が残るので、インフレが十分に低下しないリスクもあるでしょう。

日本も賃上げと物価の好循環というのは掛け声としては美しいのですが、賃上げが果たして持続可能なものかどうかは甚だ心もとない(結局企業が内部留保から出すだけになりかねない)し、物価も中東情勢の影響で紅海ルートを船が通れない状況ですし、さらに中国が嫌がらせで東シナ海や台湾あたりで何かやらかしたりすると、円安も加わり物価が想定以上に上がって実質賃金が目減りすることにもなりかねない。

要するに、リスク要因に目をつぶってひたすら需給で買い上げたのが年明けの相場だったような気がしており、ちょっと土台が脆い感じはします。

今日の調整の直接のきっかけは中国での日本株ETF取引きの一時停止だったようです。要するに中国市場に上場されている日本株ETFが基準価格にプレミアムを付けた価格で取引されることが続いたため(つまりイントリンジックバリューを超えた価格で買っていく投資家が多くなったため)投資家にとっての損失がさらに拡大しないうちに一時「笛」で落ち着かせたようですが、再開してもやはりプレミアム。裏を返せばそれだけ中国からお金が逃げ出そうとしているということなのかもしれず、これもまた今後ちょっといろいろな「不均衡」を生み出しかねないと思います。

まあそうはいっても日本株のチャートは年初からトレンド的な抵抗線を上抜けした感じはあるので、逆の方向に向かうにはまだ少し早いかもしれません。基本的には相対的な日本の地位の向上という見方は変える必要がないとは思っています。とはいえ、やはり年末年始の楽観のなかで後から見てそこが大きな転換点になった(1989年の大納会が大きな転換点でしたし)経験を持つものとしては、あくまで直感的にですが、新たにイヤーな感じを持ってしまいました。ニューイヤーだけに・・・失礼しました。

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