菅首相退陣
菅首相が退陣し、新たな自民党総裁が選ばれることになります。当初続投に意欲を燃やしていたように見える菅首相が退陣を決めた背景についてはいろいろ言われていますが、新型コロナ対応に関する国民からの不支持が大きかったようにも思えます。実際様々な世論調査で国民が政治におけるコロナ対応に強い不満を持っていたことが示されてきました。
確かに当初は動きが鈍く、また人々の行動制限の問題、緊急事態宣言や飲食店などに対する要請の問題、GOTOトラベル問題、オリンピックパラリンピック開催問題など、それぞれ意見の分かれる課題をかかえて、あるいみ右往左往してしまい、また現場レベルでの混乱もあり、そういったことがメディアの格好の餌食になった面もあります。一方で、潔癖症の日本において医療崩壊的な事象は重大なミスととらえられてしまい、人気の低下に拍車をかけてしまったのかもしれません。
まあそれぞれの事象を改めて振り返ってみれば、あきらかに菅さんの問題(GOTOトラベルなど)と言いきれそうなものもありますが、必ずしも菅さんの問題だけではなかった(オリンピック開催、医療崩壊など)部分もあります。確かに「リーダーシップ」を発揮して構造的に対処していくことも首相の責任だろうと思いますが、それはおそらく今の枠組みを前提にする限り誰がやってもすぐには難しかったように思います。
いま、あらためて「日本」が諸外国と比べて新型コロナ対応の結果としてどうなのか、というところは正しく評価しておかなければならないと思います。まず、もっとも重要な結果である死者の数ですが、国民100万人当たりの死者数をジョンホプキンス大学のデータでみると、日本は主要国では最も低い部類に入ります。日本よりこの数字の低い主要国はオーストラリアやシンガポール、台湾ぐらいです。シンガポールや台湾は徹底的な対策でやはり優れた結果を導いたとは言えますが、台湾ではまだワクチン不足などが言われていて今後の不安がのこります。日本では初動は心配されたものの結果的にはすでに1回目のワクチン接種率は米国に追い付きました。おそらく米国は「個人の自由」を尊重する国ですので任意での接種率が伸びることはあまり期待できないかもしれません。オーストラリアは確かに数字はいいですが、考えてみたらあれだけの広い国土に2500万人しか住んでおらず、非常に密度が低い。明らかに向こうは感染予防には有利な状況です。
なによりも主要国では多くは都市部で「ロックダウン」を実施しています。日本ではそうした強権的な手段が取りづらいということもありますが、それなしにこの水準を保てていることはきわめて素晴らしいことだと思います。コロナの最初の段階で、何もしなければ40万人の死者も可能性があると西浦教授がおっしゃっていたようですが、1年半経過して1万人台ですから、ちゃんとした対応がとられていたというだと思います。むしろ、(個人的にはオリンピックやパラリンピック自体には反対ですが)オリンピックやパラリンピックをいろいろ言われながらも大きな事故なくやりとおした実行力というのは評価されていいと思います。そういう点はやはり「優れた実務家」の一面があったと言えるのではないかと思っています。
もちろん、日本の国民のまじめさと厳しい自主的相互監視あるいは同調圧力によって、強制されなくてもほぼ全員マスクを着用しているということはかなり大きな予防につながっていると思います。また東アジアが相対的に「まし」なのは人種的なものもあるのかもしれません。それらはかならずしも政治の成果とはいえないでしょう。しかし、逆に言えばそういった僥倖とも言える状況も、特に今回のコロナ禍の対応は結果が大事であるという面をとらえれば評価しなければならないでしょう。また結果として、国民に対する行動自粛要請はつづいているものの、実際にはかなりの自由を持って人々は行動をつづけています。あくまで今のところは、ですが、ロックダウンも厳しい行動制限も課すことなくこうした状況を維持できていることについて、単純に国際比較でみた場合、結果はかなりましだ、ということだと思います。
まあ菅首相についてはほかのところでどうかなと思う面もありますので、辞任そのものについては政治の力学や政局と言った文脈である程度仕方ない面もあろうかと思いますが、少なくともコロナ対策の「まずさ」が主要因とはワタクシは考えておりません。むしろ結果だけ見ればわりとよくやった方だと思っています。とりわけ、新たな候補の顔ぶれをみる限り本当に変えて大丈夫か、という感じしかしないのですね。まあ「つなぎ」ということなんでしょうか?おそらく本当にコロナが収束しそうになったころ「保守の本懐」を実現する本命が登場してくるのだと思いますが。
そういや、ふるさと納税はそろそろおしまいでしょうかね。
確かに当初は動きが鈍く、また人々の行動制限の問題、緊急事態宣言や飲食店などに対する要請の問題、GOTOトラベル問題、オリンピックパラリンピック開催問題など、それぞれ意見の分かれる課題をかかえて、あるいみ右往左往してしまい、また現場レベルでの混乱もあり、そういったことがメディアの格好の餌食になった面もあります。一方で、潔癖症の日本において医療崩壊的な事象は重大なミスととらえられてしまい、人気の低下に拍車をかけてしまったのかもしれません。
まあそれぞれの事象を改めて振り返ってみれば、あきらかに菅さんの問題(GOTOトラベルなど)と言いきれそうなものもありますが、必ずしも菅さんの問題だけではなかった(オリンピック開催、医療崩壊など)部分もあります。確かに「リーダーシップ」を発揮して構造的に対処していくことも首相の責任だろうと思いますが、それはおそらく今の枠組みを前提にする限り誰がやってもすぐには難しかったように思います。
いま、あらためて「日本」が諸外国と比べて新型コロナ対応の結果としてどうなのか、というところは正しく評価しておかなければならないと思います。まず、もっとも重要な結果である死者の数ですが、国民100万人当たりの死者数をジョンホプキンス大学のデータでみると、日本は主要国では最も低い部類に入ります。日本よりこの数字の低い主要国はオーストラリアやシンガポール、台湾ぐらいです。シンガポールや台湾は徹底的な対策でやはり優れた結果を導いたとは言えますが、台湾ではまだワクチン不足などが言われていて今後の不安がのこります。日本では初動は心配されたものの結果的にはすでに1回目のワクチン接種率は米国に追い付きました。おそらく米国は「個人の自由」を尊重する国ですので任意での接種率が伸びることはあまり期待できないかもしれません。オーストラリアは確かに数字はいいですが、考えてみたらあれだけの広い国土に2500万人しか住んでおらず、非常に密度が低い。明らかに向こうは感染予防には有利な状況です。
なによりも主要国では多くは都市部で「ロックダウン」を実施しています。日本ではそうした強権的な手段が取りづらいということもありますが、それなしにこの水準を保てていることはきわめて素晴らしいことだと思います。コロナの最初の段階で、何もしなければ40万人の死者も可能性があると西浦教授がおっしゃっていたようですが、1年半経過して1万人台ですから、ちゃんとした対応がとられていたというだと思います。むしろ、(個人的にはオリンピックやパラリンピック自体には反対ですが)オリンピックやパラリンピックをいろいろ言われながらも大きな事故なくやりとおした実行力というのは評価されていいと思います。そういう点はやはり「優れた実務家」の一面があったと言えるのではないかと思っています。
もちろん、日本の国民のまじめさと厳しい自主的相互監視あるいは同調圧力によって、強制されなくてもほぼ全員マスクを着用しているということはかなり大きな予防につながっていると思います。また東アジアが相対的に「まし」なのは人種的なものもあるのかもしれません。それらはかならずしも政治の成果とはいえないでしょう。しかし、逆に言えばそういった僥倖とも言える状況も、特に今回のコロナ禍の対応は結果が大事であるという面をとらえれば評価しなければならないでしょう。また結果として、国民に対する行動自粛要請はつづいているものの、実際にはかなりの自由を持って人々は行動をつづけています。あくまで今のところは、ですが、ロックダウンも厳しい行動制限も課すことなくこうした状況を維持できていることについて、単純に国際比較でみた場合、結果はかなりましだ、ということだと思います。
まあ菅首相についてはほかのところでどうかなと思う面もありますので、辞任そのものについては政治の力学や政局と言った文脈である程度仕方ない面もあろうかと思いますが、少なくともコロナ対策の「まずさ」が主要因とはワタクシは考えておりません。むしろ結果だけ見ればわりとよくやった方だと思っています。とりわけ、新たな候補の顔ぶれをみる限り本当に変えて大丈夫か、という感じしかしないのですね。まあ「つなぎ」ということなんでしょうか?おそらく本当にコロナが収束しそうになったころ「保守の本懐」を実現する本命が登場してくるのだと思いますが。
そういや、ふるさと納税はそろそろおしまいでしょうかね。
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