いわんこっちゃない(GW中の平日の鉄道減便要請事件について)

ツイッターでも思わず反応してしまった首都圏の鉄道減便について、やはりソッコーで白旗が上がったようです。

https://www.jreast.co.jp/information/coronavirus202101/

すでに西武鉄道は昨日までに事実上の対応撤回を決めていますし、京急などもまあホント形だけの協力ということで、鉄道各社の対応は分かれましたが、JRはさすが元国営企業だけあって公的な要請には素直に大きな規模で対応しようとしました。それがこのざまで、あっという間に元に戻すことにしたようです。

最初この東京都の要請を見た時、「うそでしょ?」という印象しか持てませんでした。すでに在宅勤務できるならみんなしてますって。できないからこそ電車に乗って通っているわけでしてね。しかも時期が極めて悪い。連休の中とはいえ月末月初。会社によってはコロナ禍でそういう日だけ皆が集まってミーティングするというところもあると聞いています。多分通常の連休だと谷間で確かに人出は少なかったでしょうけれど、残念ながら東京都の当局者はそういう状況を全くご存じなかった。そのなかで単純にラッシュ時減便したら180%の混雑も生まれようというものです。一体何のための減便なのでしょうか?わざわざ密を作りに行って感染リスクを増やしているようなものですが。

上記のリンク先にある撤回の説明ですが、責任の所在をあえてぼやかしているところがあまり好きになれません。
「お客さまのご利用がゴールデンウイーク前の状況に戻っていることから、5月7日(金)は通常の平日ダイヤで運行します。」えーっと、JR東日本は、お客さまの利用がゴールデンウイーク前より減るという想定から東京都が要請を行ったという前提でそれを是として減便したのでしょうか?ちがうでしょ?東京都の要請に基づく減便ということは、減便によって通勤者を減らそうという目的だったわけですよね。通勤者が減るという想定ではなかったわけですよね。実際は減便しても通勤者は減らない。当たり前でしょう。首都圏ではロックダウンも命じられていないのだから、必要だと思ったら通勤しますよ。減便したから来なくていいです、という会社はほぼないだろうし、ましてやいきなりその時点で在宅の備えをできる人も少なかったのではないかと想像します。つまり、減便によって通勤者を減らすという発想自体に無理があったし、そもそもにわか仕立てにダイヤ変更したら、鉄道会社に混乱が生じることも想定できた。

問題の根源はそういう意味不明の要請を行った東京都にあります。端的にいうとリスク管理のミス。そのことだけははっきりと指摘しておきたい。鉄道ファンの一人として、鉄道会社と利用者に無用の迷惑をかけた東京都には猛省を促したいと思います。

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